パチンコ業界に特化した人材採用支援を行うパック・エックスが、ホール企業の採用意欲について毎月まとめている「パチンコホール企業の転職市場状況」によると、2021年11月の採用ニーズは前月からさらに高まり、1.1を超える今年1番の高い数値だったことがわかった。同社の滝沢統括マネージャーは「業界採用ニーズが1.1を超えたのは2019年10月以来で、直近5年間の同月比でも一番高い水準であった」とする一方で「9月以降、採用ニーズは右肩上がりに推移しており活発的な動きを取る企業が増加してきたが、気がかりなのは新型コロナウイルスの変異株をめぐる報道だ」とし「例年12月は前月とほぼ同水準で推移する傾向にあるが、今後の感染状況によっては再度冷え込む可能性もありそうだ」と述べている。
「パチンコホール企業の転職市場状況」はパック・エックスが独自に算出している指標。数値が平均値1よりも高いとパチンコホール企業の求人が多いということになり「採用熱が高い」ことを、平均値1よりも低いと求人が少ないということになり「採用熱が低い」ことを示す。
市場では撤去期限となる来年1月末に向けて旧基準機の撤去が進んでいるが、市場に残っている旧基準機の推定残存台数は11月末日時点でパチンコが約36万台、回胴式が約52万台の計88万台となっている。期限が迫るなかでパチスロ6号機の不調が続いていることから、中小だけではなく大手法人も含めてパチスロの減台やベニヤ対応に着手する動きが一部で見え始めているが、場合によってはグループ店舗間の集客率や稼動状況なども加味しながら、不採算店舗の一時的な休業なども視野に入れた「守り」の戦略も必要になりそうな展開となっている。
転職市場の今後について滝沢統括マネージャーは「12月の初動としては前月同様に活発的な動きを見せており、今のところ新型コロナウイルス変異株による影響は感じられない」と述べる。「求職者の動向については前月より低い水準で推移しており、例年通り12月中旬以降からさらに動きが鈍くなることが予想される」とし「年末年始に向け、コロナ変異株感染や遊技機、営業施策など多忙であると存じ上げるが、是非、早めの対応で人材確保に繋げていただきたい」と締めくくった。
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