パチンコ業界に特化した人材採用支援を行うパック・エックスが、ホール企業の採用意欲について毎月まとめている「パチンコホール企業の転職市場状況」によると、2020年7月の採用ニーズは前月比で0.13ポイント上昇。平均値である1.0を下回ってはいるものの2カ月連続の上昇で徐々に回復している。同社の滝沢統括マネージャーは「新店や改装といった営業施策に伴う採用案件も増えつつあり、8月も継続して上向きに動くことが予想される」と述べる。そのうえで「全国的に新型コロナ感染が拡大するなか政府や各知事の対応を待つより業界ガイドラインを踏まえ引き続き対応した方が良さそうだ」とし「大変な局面のなか徹底した感染予防を行っているホールがほとんどかと思うが、このことがホール志望動機に繋がるケースが散見されている」、「改めて各ホール企業の採用支援に邁進していきたい」と心境を語った。
「パチンコホール企業の転職市場状況」はパック・エックスが独自に算出している指標。数値が平均値1よりも高いとパチンコホール企業の求人が多いということになり「採用熱が高い」ことを、平均値1よりも低いと求人が少ないということになり「採用熱が低い」ことを示す。
市場では新型コロナ禍休業後の取組みの一つとして遊技しながら加熱式たばこを吸える専用の喫煙エリアを設ける店舗が急増している。今年4月に改正健康増進法が施行され、ホールは原則禁煙となったが、新型コロナの感染拡大や休業要請もあって禁煙化による影響を十分に検証できないままコロナ休業後の営業の立て直しに着手しなければならない展開となっているだけに、稼動回復策としても注目を集めているようだ。導入にはさまざまな要件があるため比較的実施しやすい多層階店舗の採用事例が多いが、地域によっては喫煙者にばかり意識が向き、非喫煙者に不快感を抱かせる危険性があることを指摘する関係者もいる。そのため各店舗ごとに異なる客層や喫煙率、ユーザーの嗜好なども加味しながらフロア比率を熟考する必要はあるが、対応次第では大きな差別化要素にもなるだけに、今後の広がりに注目していきたい。
転職市場の今後について滝沢統括マネージャーは「求職者の動向としては盆前までが前半のピークで、盆明けから再始動するのが例年の動きだが、今年に関しては新型コロナの影響による失業率の悪化や帰省・旅行などを控えることが想定され、盆期間に関係なく活発的に動く可能性がありそうだ」と話している。
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