2021.9.10

【遊情ネット】やってよかった東京オリンピック

コロナ禍でもあり、開催に大きなハードルがあった東京オリンピック。国立競技場のザハ案の建築デザインの白紙撤回から始まり、エンブレムの盗作問題、コロナでの1年延期、森喜朗組織委員会会長の辞任、開会式・閉会式にまつわる多くのゴタゴタ。外国開催だったらわからなかったであろう杜撰で金まみれの内幕が暴かれた。
 
1964年に行われた東京オリンピックは、「戦後の復興の姿を見せよう、他国に仲間入りをした姿を見せよう」と国威高揚のためにも必要だった。当時の国民は白黒テレビで観戦し、大きな外国人相手に互角以上に戦う東洋の魔女の姿に歓喜したことだろう。東京オリンピックを2回体感した60歳を超えた先輩方が、今回のオリンピックを見てどう思ったかはわからないが、初めて東京オリンピックを体感した筆者は、コロナ禍だからか感傷的に見えた部分はあったのかもしれないが、テレビを通して国を超え、男女を超え、アスリート同士が尊敬し、称え合う場であったところを見てとても感動した。
 
例えば卓球や水泳、陸上、柔道などで行われた混合競技が面白かった。男女が同一のチームで戦うことで、勝負に戦略性が生まれた。競技が終わった後、チーム内男女別け隔てなくねぎらいと感謝の抱擁の場面はアスリート同士のリスペクトや平等性が見えた。新競技のスケートボードは、大技を決めたらみんなで喜び、失敗しても笑顔を見せる、みんなで慰める。戦いではなく、皆で作り上げるショーとしてのポテンシャルを見せてくれた。
 

 
 

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